自然からの恵みで健康な夏を!

枇杷は毎年、5〜6月頃になるとスーパーにパック詰めで並びますが、俳諧歳時記でも夏の季語としても出てきます。あの黄色い果物は、ああこれから夏が近づいてくるなぁという季節感を感じさせます。古くは、奈良時代にもあったとされ、江戸時代の本草学者でもあった貝原益軒(かいばらえっけん)も『大和本草』の中で、「いろいろな果実の中で、桃や枇杷が早い頃に実る」と述べています。当時は旧暦ですから、今でいうと夏が最盛期だったのでしょう。ただし、現在のやや大粒の品種は、江戸時代の末期に中国から伝来した品種がもとになっているそうで、貝原益軒が見た枇杷とは品種が違っていたかもしれません。  枇杷にもいくつかの種類がありますが、現在最も多く栽培されているのは、「茂木びわ」という種類です。

 

 

江戸時代に中国商船から持ち込まれた中国原産の「唐枇杷」という種類を、長崎県の代官屋敷に勤めていた女性が茂木町の自宅の庭にまいたことから広まったそうです。現在も長崎県は枇杷の産地として有名で、全国の収穫量の約4分の1を占めています。そのほかの産地としては、愛媛県、千葉県が有名です。千葉県以北は気温の点で栽培に適さないとされています。また、バラ科に属する植物です。
また、この果実には多くの栄養成分が含まれていますので、健康上の予防にも効果が期待できます。まず注目すべきはカリウムの多さです。100g中約160r含んでいるとされています。カリウムは体からナトリウムを排出する効果がありますので、高血圧の予防が期待できます。また、腎臓にたまる老廃物の排出にも効果があります。

 

 

そのほかにも、βカロテンやβクリプトキサンチン、クロロゲン酸などが含まれています。βカロテンはカロテノイドの一種で、抗酸化力を持つ栄養素です。体内ではビタミンAに変化しますので、ビタミンAと同様の効果を発揮します。夜盲症の予防やガンの予防のほか、美肌効果や粘膜改善などアンチエイジングにも効果があるといわれています。  βクリプトキサンチンは、みかんなどに含まれているカロテノイドの一種で、美肌効果や免疫力の向上などが期待できます。  また、クロロゲン酸はポリフェノールの一種で抗酸化力があり、糖尿病や肥満予防、インフルエンザ予防などに効果のある成分です。  実ではありませんが、枇杷の葉にはタンニンやビタミンB17などが含まれており、利尿作用や咳止めの効果があります。

 

初夏の青空のもとで黄色い枇杷が実るのは、これを食べて夏を健康に過ごしてくださいという自然からのメッセージなのかもしれません。